お名前.com VPS への移行と Xserver、さくらのVPSとの比較

Xserver から、お名前.com VPS に移行しました。

VPS については さくらの VPS も現在使っており、VPS に統一するために、今回の移行を行いました。
お名前.comにしたのは単に使ってみたいと思っていたからです。

スペック的にはメモリ1GBで十分なので一番低いスペックの「メモリ1GBプラン」を選択しました。

導入

初回はまず標準 OS をインストールすることになります。
なお、その場合、自動でディスクが root(/)と /data に分けられ、初回時にはパーティションを変更できないため、後から OS を再インストールし、ディスク構成の設定で基本領域を100%にすることで、以下の df コマンドの結果のように /dev/mapper/VolGroup-lv_root にすべてのディスク(論理ボリューム)を割り当てました。

# df
Filesystem           1K-blocks    Used Available Use% Mounted on
/dev/mapper/VolGroup-lv_root
                     100677152 1971296  93592000   3% /
tmpfs                   510108       0    510108   0% /dev/shm
/dev/vda1               495844   32691    437553   7% /boot

※/boot には 512MB が自動で割り当てられます。

LVM においては、確かに LVM の利点を最大限に活かすために、root には必要最小限の領域を割り当て、残りは未割り当てにすることを推奨していますが、これは後からディスクを追加したり、必要に応じてパーティションを拡張する場合を想定したもので、仮想環境ではあまり利点は無いように思えます。
※なおディスク自体が2つに分割されているのを気にしなければ、OS を再インストールしなくても、/data をアンマウントし物理ボリュームを作成し、VolGroup-lv_root の論理ボリュームとして拡張すれば1つのパーティションにすることは可能です。

CPU はスペック通り、2つのコアが割り当てられていることが分かります。

# cat /proc/cpuinfo
processor       : 0
vendor_id       : GenuineIntel
cpu family      : 6
model           : 15
model name      : Intel(R) Core(TM)2 Duo CPU     T7700  @ 2.40GHz
stepping        : 11
cpu MHz         : 2593.748
cache size      : 4096 KB
fpu             : yes
fpu_exception   : yes
cpuid level     : 10
wp              : yes
flags           : fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 ss syscall nx lm constant_tsc arch_perfmon rep_good unfair_spinlock pni ssse3 cx16 hypervisor lahf_lm
bogomips        : 5187.49
clflush size    : 64
cache_alignment : 64
address sizes   : 40 bits physical, 48 bits virtual
power management:

processor       : 1
vendor_id       : GenuineIntel
cpu family      : 6
model           : 15
model name      : Intel(R) Core(TM)2 Duo CPU     T7700  @ 2.40GHz
stepping        : 11
cpu MHz         : 2593.748
cache size      : 4096 KB
fpu             : yes
fpu_exception   : yes
cpuid level     : 10
wp              : yes
flags           : fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 ss syscall nx lm constant_tsc arch_perfmon rep_good unfair_spinlock pni ssse3 cx16 hypervisor lahf_lm
bogomips        : 5187.49
clflush size    : 64
cache_alignment : 64
address sizes   : 40 bits physical, 48 bits virtual
power management:

なお、カスタム OS のインストールも可能で、殆どの Linux ディストリビューションのイメージが用意されています。
また、ISO ファイルをアップロードして好みの OS をインストールする事もできます。

DNS の設定

DNS はネームサーバー(NS)とAレコードを登録すればOKです。
私はお名前.comでドメインを取得しているので、ネームサーバーの設定で VPS(KVM)を選択すれば自動でネームサーバーが設定され、Aレコードを登録するだけでした。

パフォーマンス比較

Xserver との比較

Xserver に比べて、パフォーマンスはかなり良くなった印象を持ちました。
特に転送速度は体感できるくらいに速くなり、FTP での転送時間は顕著に短くなりました。
また、PHP の動作もキビキビとした感じになったように思えます。

これは仮想マシンであるため、共有サーバーとは異なり、CPUやメモリなどのリソースがユーザーごとに割り当てられていることと、OS で余計なプロセスが起動していない事(自分がインストールしたプログラムしか動いていない)が理由として挙げられます。

さくらの VPS との比較

さくらの VPS の同じメモリ1GBのプランと比べても、使用感やパフォーマンス面の違いは殆ど感じません。
価格はお名前.comの方が少し抑えられているのでコストパフォーマンスという点では良いと思います。
とは言っても価格差は僅差なので好みの問題になるでしょう。

VPS の利点について

VPS の利点は何と言っても SSH で接続してコマンドベースで何でも出来る事です。
例えばメールアカウントを追加する場合や Apache のダイジェスト認証などのパスワードを変更するのは、コマンド1つでできます。

また、当然ながら Apache の設定ファイル(httpd.conf)を直接編集できるので、必要なディレクトリに一括でダイジェスト認証によるアクセス制限を設定することもできます。
共有サーバーの場合、コントロールパネルからディレクトリごとにユーザー名、パスワードを設定しなければならず、多数のサイトを運営しているとパスワードの設定や変更作業が大変です。
これはセキュリティ上も好ましくありません。

更に、設定のバックアップについても、scp コマンドで必要な設定ファイルを簡単にバックアップ、復元できます。
この設定ファイルレベルでのバックアップができるのは VPS ならではの大きなメリットであり、例えば障害発生時の復旧や、他の VPS に移行する場合に非常に有用です。

また、マルチドメインの場合、Xserver などでは各ドメインごとにメールアカウントを設定しなければならないので面倒でしたが、VPS なら Postfix の仮想ドメインの設定(仮想ドメインとユーザーのマッピング)と useradd コマンドでのユーザーの追加で済みます。

セキュリティ

セキュリティという点では、ファイヤーウォール(iptables)と強力なパスワードを設定し、定期的に変更する事に尽きます。
VPS なら passwd コマンドでユーザーのパスワードを変更すれば、SSH や POP3 認証などの UNIX ユーザー認証を使用しているすべてのアプリのパスワードを一括して変更できます。
※SMTP 認証(saslpasswd)やダイジェスト認証(htdigest)のパスワード変更もコマンドベースで行えます。

SSH に関しては、root のログインを無効にすることや、鍵認証でのみログイン出来るようにする事でセキュリティを高める事ができます。

後は、脆弱性が利用(ゼロデイ攻撃)されないように、主要アプリは定期的に yum コマンドで最新版を維持するように心がける事が大切ですね。

高パフォーマンスで好きなWebサーバーや言語を使用したいならお名前.com VPS がお勧めです。

公開日:2014年07月14日

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